研究会論文誌における英語論文掲載の促進(2016)

研究会論文誌における英語論文掲載の促進

和文論文の採録後の英語化

(2013年10月6日改訂)
(2016年8月11日改訂)

プログラミング研究会論文誌においては,現在,英文論文と和文論文が混載されている.
他の情報関連分野と同様,プログラミング分野においても,学術論文の記述言語を英語に移行していく必要は広く認識されている.

そのための施策として,PRO研究会では「和文論文の採録後の英語化」を制度化している.和文で投稿され,査読を受けた論文を,採録決定後に英語化し,英文論文を掲載することを可能にする制度である(英文論文を掲載する場合,和文論文は掲載されない)

  1. 和文論文として投稿され採録と判断され査読者の改訂への意見を反映した和文論文原稿,および,条件付き採録として判断され,条件が満されたことが確認された和文論文原稿に対して,著者の希望により,英語化を認める.
  2. 著者は最終原稿提出期限日までに英語化作業を完了し、編集委員会英語化担当委員に (a) 英語化PDF原稿 (b) 業者による添削結果(任意形式) (c)添削者の履歴書(ネイティブスピーカーによる個人添削を受けた場合) (d)日本語採録PDF原稿を提出する。(同じ期限までに情報処理学会事務局にも最終原稿を提出する必要があることに注意。)
  3. 作成された論文に対して英文添削業者等による英文添削を義務とする.英文添削にともなう費用は著者の負担とする.英文添削業者からの情報(添削コメント等)も付する.
  4. 期間内に英文化が完了しない場合は,採録決定された和文論文を掲載する.
  5. 英文添削後,提出された論文は,編集委員会にて和文論文と同等であることを確認する.
  6. 同等性が確認されない場合は,軽微である場合は著者に修正を求める.軽微でなく,期間内(2週間)に作業を完了することが見込めない場合は,採録決定された和文論文を掲載する.
  7. 英文論文が掲載される場合,和文論文は掲載されない.

また,従来の投稿に関連して想定されるQ&Aを以下に列挙する.

Q1. 英文論文の投稿でも英文添削は義務ですか?

A. 投稿時点で英文である論文は,英文添削は義務ではありません.採録判定された英文においても,条件付採録の採録条件として課されない限りは義務ではありません.従来通りです.

Q2. 英文添削の業者には制限はあるでしょうか?

A. 情報分野の論文の添削を表明している業者であれば,通常利用されている業者で構いません.ただ,文法ミスやスペルミスも発見しないようなひどい業者だったとしたらトラブルとなりますので,ご注意ください.ご存じでなければ情報処理学会が紹介いたします.

Q3. 英文添削は知り合いの英語を母国語とする人に依頼してもよろしいでしょうか?

A.(a)情報分野の研究者で,(b)英語を母国語でとしている人であれば構いません.ただ,(a)と(b)の二点を確認するために,(a)と(b)に関連する情報が記載された履歴書を提出してください.

Q4. 英文添削の費用が高価で払えません.

A. 英文論文として投稿してください.英文に問題がなければ,英文添削を要求されることはございません.

Q5. 著者のうち連絡者や第一著者でない者が英文化を担当しても構いませんか?

A.もちろん,構いません.

Q6. 英文化の改訂中に実験データや論文の内容を変更したくなりました.変更しても構いませんか?

A. 英文化の作業における内容の変更は原則として認めません.

Q7. 英文翻訳業者に依頼してもかまいませんか?

A. 英文作成作業の責任でお願いしております.ただ,著者が英文翻訳業者に作業を依頼し,その結果を参考にして英文化をおこなうことを禁止するものではありません.

Q8. この英文化を利用したいと思うのですが,投稿前に何か準備することはありますか?

A. 編集委員会としてお願いすることは特にありません.採録決定がなされるまでは通常の和文論文の投稿と同じです.

Q9. 英文論文を投稿するのと,和文論文を投稿して採録後に英文化するのは,どちらが望ましいですか?

A. 一般論としては,英文論文を著者が執筆し投稿するのが,望ましい形態であると思います.今回の施策は,英文論文の掲載における利便性を向上するために提供するものです.

Q10.和文論文も掲載されますか?

A.英語化が完了した場合,英文論文が掲載され和文論文は掲載されません.英語化が不調に終った場合には,英文論文は掲載されず和文論文が掲載されます.

Q11. 和文論文は今後は投稿できないということでしょうか?

A. そうではありません.和文論文の掲載を希望する方は,従来通り和文論文を投稿し,採録後も和文論文を掲載できます.

Q12. この「英文化」は,今後継続しますか?

A. 2011年3月開催の研究会から試行を始め現在に至っております.長期的にどのようになって行くかは未定です.

Q13. 本来論文は英語で直接記述すべきだと思います.この「英文化」の施策は中途半端です.

A. そのとおりかもしれません.もちろん,英語論文の投稿は歓迎するところであります.ただ,編集委員会としては実現可能な範囲で投稿者の利便性の向上を追求したいと考えております.

Q.14. 和文論文として採択決定されたとしても,英語論文としてのクオリティを備えているとは思えません.和文論文なら国内問題ですが,英語化してしまうと国際的な問題を生じると思います.それは問題ではないでしょうか.

A. 研究会論文誌の採録条件は記述言語に依存するものではありません.和文論文で採録された論文は,同一の内容を有するのであれば,英語論文となったとしても,出版されるに足る内容であると考えるものであります.

Q.15 諸般の事情により英文論文としては、掲載されたくないのですが。

A. 英文化を希望しなければ、従来通り、和文論文として掲載されます。